札幌市立大学 看護学部教授 猪股 千代子 オフィシャルwebサイト

日本統合医療学会 北海道支部

統合医療に寄せる想い

寄り添い・絆を深め・しなやかな心を取り戻す
生 (スピリチュアル) を ささえる 統合医療ケアの実践と普及活動

 

今日の医療・看護は、医療機器に囲まれた業務処理に追われ、患者に寄り添い、その人の生きる力を高めるようなケアがどれほど行われているだろうか。

患者と看護師はそれぞれの人生の旅路の中で出会って、人の心に触れる機会を頂き、多様な人生をダイナミックに学ばさせていただいている。
“生きる”こと、“ケアすること”を通して得られた無数の経験知を看護師は、患者さんにフィードバックしているだろうか。思いやりの関係性が薄くなっていないだろうか。

私は、統合医療の考え方に出会って、2008年から「ハマナス・音楽&看護療法研究会(HOKT123)」を立ち上げ実践・研究・教育の場づくりを行っている。
本会は、医療従事者と音楽療法士やアロマセラピスト、ヨーガセラピストなどの代替療法士の方と共に、自然治癒力を高める新しいケア方法を創造することに挑戦している。参加患者は、現在のところ神経難病患者、特にパーキンソン病や脊髄小脳変性症の方が大半を占めている。

現行のヘルスケアシステムにどのようにすれば安全で、患者のニーズに即し、質が保障された自然治癒力を高めるケアを提供できるのかの視点で、プログラム作り、実践、効果の評価までを行っている。時に、看護学生などの教育の場となり、健康づくりのための市民との交流の場となり、保健医療福祉職の人々に統合医療を知って頂く場となっている。
この場から、真のチーム医療のありかたをセラピストや患者との関係性から学んでいる。
また、ケアリングとは何か、癒しとは何か、健康とはどのような状態を表すのか、スピリチュアリティを育むケアとはどのようなものかなど、患者さんも交えて意見交換を行っている。参加者(患者・看護職・セラピスト)に対するインタビューによる研究から、この場は、「寄り添い・絆を深め・しなやかな心を取り戻す生 (スピリチュアル) を支えるケアが繰り広げられ、生命が響きあい、生きていく力を強めている」ことが導き出された。患者は、身体症状改善や患者同士の交流を期待し、参加した結果、意識の拡張や霊的成長をもたらし、生きられる工夫や養生法を見出し、愛他精神 が育まれていた。

会を立ち上げた頃、看護職は代替療法の知識や技術不足の中でチームの役割が見いだせない状況であった。しかし、ナイチンゲール精神の原点に立ち返り、癒しのケア実践をとおし、あらためて看護の価値を再確認できた。セラピストにとっては、患者さんの多様なニーズに応える癒しの技術を洗練する機会となり、実践能力の向上をもたらした。
人間は、自分のためだけに生きていこうとすると、時に心が折れそうになるが、自分を気遣ってくれる人のために、他者のために生きようという意識が働くと、思いもかけない力が湧き出し、生きられる術を見出すようである。

最近では病院の院長・事務部長・看護部長へ、統合医療について説明させていただく機会や、統合医療の考え方を看護や介護に取り入れるための研修会の場を頂くことも増え、徐々に地域に広がってきていると実感している。

日本統合医療学会理事
統合医療認定師(看護師)
札幌市立大学看護学部 教授
猪股千代子

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日本統合医療学会 北海道支部事務局
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担当:村上 智美

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